研究内容の漏洩防止と技術の保全から、オートロックシステムを導入。
「フィールドロボット工学研究室」ではどんな研究をされているのですか?
災害対応ロボットの開発です。よくレスキューロボットと勘違いされることがあるのですが、人を助けるロボットではなく、あくまで災害に対応するロボットの開発です。ただ、それだけではなく、災害時以外にどのように活用できるかも大切です。例えばインフラ設備の維持管理にも使える、とかですね。そのあたりの研究開発を行っています。
今回、静脈認証を使ったオートロックシステムを導入されました。
研究者にとって、研究内容の漏洩防止と技術の保全というのはとても大切なことです。また、研究室内には1台数十万円するような高価な機械もごく普通に置いてあります。セキュリティーの強化というのは大きな課題でした。しかし、この研究室も大学内にあるため、学内のルールに従ってドアは普通のキーで開閉していました。カギは基本的に事務局に置き、学生はそれを借りるシステムです。
実は以前、借りたカギを学生同士で借りまわしているうちに紛失したことがあったんです。研究室は24時間動いています。煩雑なカギの受け渡しが紛失の遠因にありました。そこで、この静脈認証システムの存在を知り、すぐに教授に導入をお願いしました。
以前は学生同士のカギの借りまわしから、カギが紛失したことも。
導入にあたり、ネックになった部分はありましたか。
コスト的な部分は当然ネックにはなりましたね。ただセキュリティーと便利さの費用対効果が大きいと判断され、そこは簡単にクリアできました。ただ、大学内で工事をするとなると事務局の許可を得なくてはなりません。その辺のやりとりには知恵を使いました。
事務局はセキュリティを一括で管理しています。1つだけセキュリティーが強いものを入れるのは事務局としては問題なのです。例えば緊急時の対応ですよね。何かあったときには事務局の人も研究室内に入れなければいけない。だから別の扉にマスターキーを用意して、緊急時には事務局の人にはそこを使ってもらうようにしました。私たちにとっても、万一の停電時などにはマスターキーを借りれば入室できますし。